HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか / ベン ホロウィッツ
私小説としても大変楽しめる一冊です。
小澤 隆生「おざーん」さんの序文も味わい深い。
Andreessen Horowitzは、技術とビジネスのバランスのセンスに優れたVCとして、レスペクトされています。
Marc AndreessenがNetscapeを辞め、AOLも辞めてLoudCloudを立ち上げたとき、青空に雲のふわふわしたイラストのトップページと説明文を見て、なんとなくしたいことが分かるような分からないような… でもアンドリーセンだから、先見性あるすごいことをするんだろうな… と思いつつ、そのうちトーンを押さえた社名 (OpsWare) になっていき、その後どうしたのだろう… とは思っていました。
昔からThe Internetのメタファーとしての雲 (くもくも) は使われていましたが、クラウド資源をマネージする会社というのは、その必要性はまだまだ未知数でした。その現場の中でどんなドラマが展開していたのか、今や本書を読めば赤裸々にわかります。
ビジネスの現場に立ち、物事を切り盛りしていけば、きれいなことも汚いこともいろいろ遭遇するものです。本書は誰しもにとって「明日から役に立つ!」という性質の本ではありませんが、そんな大人たちの頭とからだを前向きにしてくれる、良性の「あるある」本です。大人のあなたに、お手すきで一読どうぞ。