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OK Goの新作PVはfacebook videoで公開

アメリカのロックバンドOK Goの新作プロモビデオがまた公開されました。

今回のテーマは「自由落下無重力」
CGもクロマキー合成も一切なし! とイントロでうたっています。
この、一発撮りの展開、脚本はすごい! ぜひ見てみてください。

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一本道でシンプルだけど、無重力という材料の魅力を活かした動きや小物の展開が考えぬかれています。3:07あたりからなにげに水平飛行に移行し、重力が復活してるのだけど、ここへの流れもうまい。何しろこんなにいっぱい散らかして汚しちゃ、撮り直しが大変!

YouTubeじゃなくてFacebook Videoへ誘導

今回のPVはつい昨日(2016.2.11)公開されたばかりのものだが、動画メディアとしてはFacebook Videoを使っている。彼らのサイトに埋め込まれている動画も、このFacebook Videoのembedだ。

「こんど新曲Upside Down & Inside OutのこんなPVを作るよー」というティーザーは彼ら自身がYouTubeの自分たちのチャネルで展開してきているし、最終的に「公開したよ! 見てね!」という紹介まではYouTubeに掲載。その後は自身のサイトとFacebook Videoに誘導している。

PV本体は、あえてYouTubeには(少なくとも自分たちで公式には)上げてない。YouTubeにあげたトレイラーの反響と、そこからの誘導効果を測定し実験しているように思えます。

ひたすら動画を見続けるようなユーザ体験であれば、Facebook VideoよりYouTube、あるいはさらにNetflixやHuluといった動画メディアに一日の長がありますが、PVのようなソーシャル体験と結びついたもの、あるいはソーシャル体験の一環として楽しみバイラルしていく性格のものであれば、動画の存在を知り、楽しみ、さらにリアクションしていく流れがスムーズに落ち着くFacebook Videoという選択は確かにありです。

今回のタイアップはロシアの航空会社

このPVは無重力な旅客機の機内が舞台だが、背景には「S7」というロゴが控えめにしかし見やすく提示されている。S7はロシアの航空会社で、このPV自体も同社とのタイアップ。同社は現在は旅客機としては西側の機体だけを使っているようだが、ティーザーを見るとわかるとおり、古めのツポレフあたりを撮影機材として使っているようだ。

 

と、みていたら、ついさっき、同社のトップページがこのPVをフィーチャーしたものに切り替わった。

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OK Goはいままでも斬新なPVを産み出してきたが、いずれも明快なタイアップが企画の芯にある。Needing/Gettingの印象的な自動車走りまくりはシボレーの小型車ソニックをメインの大道具に据えているし、

 

千葉県で撮られた、Perfumeもカメオ出演しているドローン一発撮りの極致、I Won't Let You DownはホンダのUNI-CUBでメンバーがなめらかに動きまわる。

 

テクノロジーの楽しさをおもしろさの面から楽しみ、そしてシナジーもしっかり持っているOK GoのPVは、インディー・レーベルのビジネスモデルの足腰の軽さと速さの現れでもあるし、そしていつもエンタテイメントとして面白い価値を届けている。ひとつのスタートアップとして捉えても、学ぶべきところがいっぱいあります。